Penpa-editor(ペンパくん)解説その1

先月から、パズルスクエアなどで万能パズルエディター「Penpa-editor(ペンパくん)」をひっそり公開していました。想定している機能が大体備わってきたので、備忘録も兼ねて仕様の解説をします。

公開時からは何回か更新していて、画像がきれいになったり、記号の入力方法などが大きく変わっています。

IE,Edgeは非対応です。それ以外のブラウザで不正なアドレスですと表示されるときは、キャッシュのクリアをお願いします。Chromeなら、「Shift」+「Ctrl」+「R」でリロードできます。

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0. 目次

1. 概要

1-1. 背景

 これまで、ぱずぷれやPencil-box、カンペンなど、ペンシルパズルを作る・解くためのツールはいくつか開発されてきました。ただ、どれも特定のパズルに特化したソフトで、日々新たなバリエーションが考案される競技パズル界ではどうしても作れないパズルが出てきてしまいます。一部の界隈では作図専用のエディタも開発されているようですが、スマホ上でバリエーションパズルを作る・解けるツールが欲しかったため、自作することにしました。(プログラミングは本職ではないので、あくまで趣味のソフトです。)

1-2. できること

 自分が知っている限りのパズルのうち、ハニカムなどの変形盤面を除くほとんどのパズルが作れるようにしました。特殊なイラストを使用する問題は作れませんが、他の記号で代用すればかなりの自由度で作図できます。

 Penpa-Editorが必要になる人は、ぱずぷれでは作れないパズルを知っているor自分でルールを作れる人なので、かなりの玄人向けのソフトになっています。ですが既存のパズルでも、凹凸のある盤面で作るときや、解き方解説を作る時には使えます。マニアックなパズルを作りたくなったら存在を思い出してもらえれば...

 ありがたいことに、このエディタを使って新しいバリエーションパズルがいくつか考案されましたので2つ紹介します。かなりセンスのあるルールだと思います。

ダブルチョコ 作:udop

マカロ 作:homerest

2. 使い方

 想定している使い方を紹介します。あまりに機能が多いので、何回かに分ける予定です。

2-1. 上部のボタン

システム用のボタンです。

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1. 新規作成・枠変更

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  • 盤面のマスの数を変えるときと、盤面の線の種類を変える時に使います。

  • ヨコ・タテ:マスの数を決めます。1マス以上30マス以下です。スーパージャイアントはソフトの処理の都合で作れません。

  • 表示サイズ:1マスの大きさを変更できます。36がデフォルトですが、デバイスによって見やすい大きさに変えることが出来ます。15以上60以下です。

  • 余白:盤面の上下左右に隙間を開けることが出来ます。ビルディングパズルなどで使います。

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  • グリッド、格子点、外枠:盤面の種類を変えることができます。作るパズルによって決めてください。

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  • 作成:盤面をリセットして、新しく作ります。ヨコ・タテを変える時は必ず作成を押してください。

  • 枠変更:盤面をリセットしないで、枠の種類だけを変えます。ヨコ・タテ以外が全て変更可能です。途中でグリッドを変えたくなったら使ってください。

2. 画像保存

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  • 画像を保存します。

  • 余白をなしにすると、盤面のフチギリギリのところで切り取ることができます(ぱずぷれと同じ見た目)。枠の上に記号を置いたときや、スリザーリンクなどの外枠に線を引くパズルの場合は、はみ出てしまうので余白をありにしてください。パズルスクエアで公開する時は、余白をありにしたほうがぱずぷれと区別出来て便利かもしれません。

  • 別ウィンドウ・ダウンロード:スマートフォンでは別ウィンドウ、PCではダウンロードがメインです。動く方を使ってください。

3. アドレス出力

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  • テキストデータを保存します。

  • 編集アドレスで再編集用のデータ、出題用アドレスで解答モードのみのデータが出力されます。コピーかダウンロードで保存してください。

  • 開くでアドレスを直接開くことが出来ます。確認用にどうぞ。

  • コピー・ダウンロードが両方ともできないデバイスの場合、開くからアドレスをコピーするという方法があります。

4.複製
  • 盤面をそのまま新しいブラウザで開きます。仮定や場合分けで使えます。

  • ショートカットキーはCtrl+dです。

2-2. 編集ボタン

編集モードを操作するボタンです。ソフトのメイン機能です。

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1.編集
  • 問題モードと解答モードを切り替えます。ぱずぷれなどとは異なり、モードごとの入力の制限はありません。見た目でどちらの記号か区別できないのは仕様です。

  • アドレス出力の出題用アドレスには、問題モードの記号のみが出力されます。

  • 問題と解答は、画面下部の問題・解答消去で別々にリセットできるので、うまく使い分けてください。

2.パネル

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  • タッチパネルで数字などを入力するときに使用します。

  • 記号の一覧が見れるため、記号を入力するときにはPCでもパネルをONにすると便利です。

  • 数字・記号モード以外では、パネルは上のバーしか表示されません。

3.モード
  • 大きく10種類の入力方法を切り替えて使います。次の節で細かく説明します。

2-3. 下部のボタン

記号の消去を主に行います。 f:id:citizen_puzzle:20190804101018p:plain

1.戻・進
  • 一手戻る・やり直すボタンです。問題と解答モードで独立に動作します。1000手まで戻ります。

  • ショートカットキーは、Ctrl+z、Ctrl+yです。

2. 選択消去
  • 現在選択中のモードの記号だけを消去します。補助x、1/4数字、特殊のそれぞれの記号は別で消去されるように設定されています。
3. 問題・解答消去
  • 編集モードで選択している方の記号をリセットします。やり直しはできないので注意してください。

3. 編集モードの詳細

3-1. 黒マス

  • 正方形の色マスを入力するモードです。スタイルで色を変更します。

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  • 濃灰:主に解答用の黒マスです。2回クリックすると緑マスになり、解くときに便利です。

  • 薄灰:薄い灰色のマスです。ヤジリンのヒントの背景色や、2色の黒マスを塗り分けるパズル(Two color Tapa, Striped Snake)で使用します。

  • 黒:問題用の黒マスです。白文字を重ねてシャカシャカなどのヒントにもできます。

  • 緑:主に解答時の白マスチェック用に使います。

  • 水:アイスバーン、ヘルゴルフなど、水のマスに使用できます。

  • 赤:装飾用です。

  • 黄:緑と合わせて、バッグを解くときの内外判定などに使用できます。

  • 隠灰:数字や記号の灰色と同じ色になっています。重ねて配置することで、隠し文字を使用することが出来ます。疑似的なチョコレートスイーパーを作れます。

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3-2. 線

  • マスの中央を結ぶ線です。

  • 通常:タテヨコに線を引きます。

  • 対角線:タテヨコナナメに線を引きます。

  • 自由線:任意の2マスを結ぶ線を引きます。桂馬飛びのループなどに使えます。

  • 補助x:線が引かれないことを表す補助記号です。

  • 緑:解答用の線です。

  • 細、太、点、太点:下図の通りの線を引きます。

  • 灰:Palindrome Sudokuなどに使う、灰色のラインを引きます。

  • 二重:橋をかけろの解答用の二重線です。

  • 短:四角に切れフィルオミノなどの補助線や、Diagonal Consective Sudokuのヒントに使用できます。

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  • うまく使うことで、三次元形状もいけます。

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3-3. 辺

  • マスの頂点を結ぶ線です。

  • 機能は線モードとほぼ同じですが、こちらの方が使用用途が多いです。

  • 枠消:盤面に元からある線を消すことが出来ます。Irregularグリッドを作れます。上から別の線を書くことで、一部の線だけを点線に変えることもできます。

  • 緑:スリザーリンクなどの解答に使用できます。

  • 細:盤面を自分で描くときに使います。

  • 太:へやわけなど、領域の境界線に使います。

  • 点:点線の盤面を自分で描くときに使います。

  • 太点:2種類目の領域の境界線に使います。DuodokuやWindow Nurikabeなどに使えます。

  • 灰点:主に対角線数独などの、ナナメの列を表すのに使います。

  • 灰:3種類目の領域の境界線などに使えます。

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3-4. 壁

  • マスの中にタテヨコに引かれる線です。主にWallsや、縦横さんなどで使います。

  • 緑:解答用の線です。

  • 細:マスを4分割するのに使います。

  • 太点:スラロームの旗門などに使います。

  • 灰点:Wormsなど、タテヨコの列を表すのに使います。

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3-5. 枠

  • 複数のマスを囲む枠を作ります。キラー数独などで使います。

  • クリック判定は、マスを4等分しています。線が引かれる位置よりも少し内側をドラッグすることで引きやすくなります。

  • はみ出た線を消し忘れやすいので注意してください。

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4. 文責

長いため、続きは別記事にします。記号が本番。

 panista